エレベーターピッチに入れるべき内容







 事業を始めたばかりの「ヒト、カネ、モノ」が制限されている状態の起業家は必ずエレベーターピッチをいつも自分の中に考え、チャンスの可能性があるときには、いつでもそれを披露できる状態にしておかなくてはならないのですが、それでは、エレベーターピッチに入れるべき事柄とはどのようなものでしょうか?

たとえば、顧客向け場合、次のような事柄になります。
 
「私は誰?(Who am I?)」
「どんな商品・サービスを提供しているのか?(What am I doing?)」
「なぜあなたに提供するのか?あなたにどんなメリットがあるのか?(Why you?)」
「なぜ私がそれを提供するのか?なぜ私から買うとよいのか? (Why me?)」
「なぜ今なのか?どうして今それが必要なのか?(Why Now?)」
「連絡先、コンタクト方法」

といったものです。数十秒から一分以内という非常に短い時間でお客さんの心を「つかむ(Catch)」、ためには、このくらいの内容を極めてコンパクトにまとめる必要があります。これらは入れたほうがよい内容であって、絶対に入れなければならない内容ではありません。重要なことは、

「相手に伝わること」

これがもっとも大事な要件となります。もし、「ここに書いてあるようなことの一部が要らない」「これ以外のことをたくさんいれたい」、というような場合にも、それが確実に「相手に伝わること」ことである限りはどのようにアレンジしてもよいものです。

 自分の商品やアイデアを売りたいと真剣になっている人は、とにかく「自分の伝えたいこと」のすべてを入れて、懸命に話したりすることが多いものです。しかし、「必ず、長時間をかけて説明しなければならないようなアイデア」、というのは、大抵の場合、あまりよいアイデアではありません。

 エレベーターピッチで「数十秒から一分以内」というと極めて短い時間に聞こえるかもしれません。しかし、実は案外長いです。自分の関心のない教育番組を、30秒間ずっと動かずに見てみる、というようなことを試してみたら、「つまらない話を30秒も聞かされる人のつらさ」が分かるはずです。

本当によくまとまった優れたアイデアというのは、極めて分かりやすく、短い時間の説明でも相手には伝わるものです。そのため、最長1分程度で伝わらないようなアイデアの場合には、そのアイデアは練りなおしたほうがよいでしょう。

エレベーターピッチの構想がある程度まとまったら、それをその対象の人に属性が似ている身近な人たちにやってみるということをおすすめします。自分のことをすでに知っている人に対して行ったものプレゼンですら、あまり良好な反応が得られない場合には、それは考え直すべきといえるでしょう。

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日本では同窓会ピッチ?






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