理想の組織図を描いてみる







 ある人がビジネス・スタートアップに成功して、その後に推奨されるプロセスは「アントレプレナー的なプロセス」で、「起業家自身にも依存しない」システム化した組織となります。

 事業が属人的にならず、システム化した状態になったときの、「理想的な組織図」を描いてみることで、現在の状態から、その状態に移行するために何をしなければならないか、ということが明確になります。

 これまで、あまり組織図が必要なほどの大きな組織に所属した経験がなく、組織図自体が思い描けないような場合には、自分が行おうとしている(あるいはすでに行っている)事業で最大手の会社の会社案内を取り寄せたり、ホームページに書いてある組織図を参考にしたりするなどして作ってみることになります。

 「最大手の組織図を模倣してみる」、というと

「絶対にそんなところまでは無理」
「大手のやるようなことは目指していない」

というような反応になることがあります。そのような場合には、それよりもサイズの小さい組織図を書いてみることで、どのサイズの組織図が自分にとっては理想なのかということを考えていくことになります。ただ、起業家が達成できる目標は、多くの場合、自分が以前に思い描いていた目標よりも小さくなりがちですので、できるだけ目標は大きく考えておいたほうがよいとはいえるでしょう。

 ビジネス・スタートアップに成功して、次の目標を設定するために、この「理想の組織図」を書いてみるということを行った際、特に、起業家自身が顧客に価値を提供する「専門職的なプロセス」で事業を行っている場合には、

「今のサイズのビジネスが大好き(十分満足)で、それを拡大する気にはなれない(モチベーションがわかない)」

というような場合も多々あります。その場合は、自分が「今のサイズのビジネスが好きだ」、ということを認識して、そのまま進めばよいのです。

 しかし、スモールビジネスがスモールビジネスであり続けるような場合、次の目標を全く設定せずに「漫然と今の仕事をこなしている」という状況であることが多いものです。それによってスモールビジネスならではの問題も起こりやすくなってしまいます。そのため、この「理想の組織図を描いて見る」ということは、節目、節目で行っておくべきことでしょう。

 「理想の組織図」を書いてみることによって、起業家として「アントレプレナー的なプロセス」で事業を拡大させていくことが目標だ、ということが確認できた場合には、組織図内の組織が起業家自身にも依存しない組織となるように、事業をシステム化し、拡大していくことになります。

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